プルシアンブルーのぼく

健全なオタク趣味を応援するブログです。 ハースストーンとか音楽の話題が多いかも。

オタク怒りのプログレ道 その1 ピンク・フロイド 「狂気(The Dark Side of the Moon)」

 

現代において若干マイナーな扱いをうけるプログレッシブロックを他人に勧めるにあたって、最初から「聞きにくい」モノを勧めても誰もハマってくれないので、今回は、聞きやすい、完成度が高い、知名度が高いという最強の名盤「狂気(The Dark Side of the Moon)」を紹介したいと思います。

 

 

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狂気』(きょうき、The Dark Side of the Moon)は、1973年に発表されたピンク・フロイドの7作目のスタジオ・アルバム。 (ウィキペディアから拝借)

 

というわけで第一回はピンク・フロイドの「狂気」です~!わーわーわーパチパチ~~

 

 

今となっては古い作品ですので、若い世代には馴染みの薄いアルバムになるかと思います。実際僕も最近までこのアルバムを見かけたことはあっても内容は知らなかったんです。

 

……実は恥ずかしいことにこんな記事を描いておきながら、去年の秋ごろまでプログレッシブロックなんてジャンルを僕はマトモに聞いたことなんてなかったんです。

 

そのころ僕はなんとなく音楽の知識は「教養」として役に立つんじゃないのか?と思い、洋楽ロックの名盤とされるアルバムを適当に借りまくって色々な音楽を聴くことに熱をあげていました。それに何でも新しいものに手を出すのは楽しいことだし、音楽は聞くだけだから「気楽だ」と。

 

さて、この「狂気」も所謂名盤とされている一つで、そういった経緯から手に取ったのですが、いざ聞いてみた日の衝撃といったら!

 

「どえらいものと出会ってしまった……」

 

僕の音楽に対して「気楽だ」などという考えは大きく矯正させられることになってしまうのでした……

 

 

とまあ嘘はこのぐらいにして、このアルバムの簡単な説明に入りたいと思います。

 

このアルバムのすごいところ!その1 セールスでの成功

1973年に発表されるやいなや飛ぶように売れ、プログレッシブロックというジャンルの音楽にも関わらずアメリカのビルボードで1位を取ってしまったこのアルバム。そしてその後ビルボードの売り上げランキングに15年間(741一週連続)載り続けるという偉業まで達成してしまったのです。(15年間ビルボードに載るくらいには売れ続けた)

 

ウィキペディアから拝借してきた文

アメリカではRIAAが1973年度最大の売上があったアルバムに認定しており[10]、通算1,500万枚の出荷が認定されている。全世界での売上枚数は5,000万枚とされている。ただし、まだ売上枚数計測のシステムが整っていない時期に発売されたため、それを上回っている可能性がある。

 

※目安として佐村河内さんの交響曲ヒロシマは10万枚、ビートルズが出したアルバムで一番売れた「Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band」で3500万枚ほど

 

 

これだけ売れたプログレッシブロック(以下プログレと略す)のアルバムは「狂気」だけで、もっといえば「ロック」という大きなくくりにしてもこれを超えて売れたアルバムは存在しません。まさしく1970年代、いや20世紀を代表する「芸術作品」です。もはや洋楽を語る上では避けては通れないアルバム!!さあ内容について触れていきましょう!!

 

(前回の記事と口調が全然違う……)

 

 

このアルバムのすごいところ!その2 完成度

「狂気」は、一つ目の曲から最後の曲まで繋がっていてアルバム一つで一曲という所謂コンセプトアルバムです。なのでぜひ全編を通して聞いていただきたいのですが、「そんな時間ねえよ!!」という方もいらっしゃるかも知れません。ですが、ご安心ください!!実は全ての曲が単体で聞けるレベルなんです!!どの曲も前後を知らなくてもちゃんと聞けるようになっているんですね。(一曲目のSpeak To Me単体は流石に厳しいですが)

 

 特にシングルカットされた「Money」はなかなかPOPでキャッチーな音楽です~

 

……と思いきや実は7拍子でリズムを刻んでいます。この辺は僕もリズムの理論に詳しくないので大きな顔で言えませんが、5拍子や7拍子みたいな変わったリズムを(普通は8ビートとか16ビートが多い)変拍子と言います。そういった変拍子が多いのがプログレというジャンルなんですね。ついでに途中でリズムが変わったりするのもプログレの特徴なのですが、この曲もギターソロに入るところでスッとリズムが変わります。なのでプログレっていう音楽を触ってみたい方はこの曲だけでも聞いてみると良いかもしれません。(この曲だけ聞くとただのロックにしか聞こえないと思いますけどね)

 

youtu.be

 

 

 さて、肝心のアルバムの内容なんですけど、「人間の内にある狂気」がコンセプトです。これだけ聞くとそんなの何が面白いんだって話しですよね。 

確かに歌詞はすっごく重苦しい内容なんですが、ピンクフロイド独特の浮遊感のある音楽とPOP感が妙に心地良くて意外とすんなり聞けてしまうんですね。

 

とっつきにくそうな見た目とコンセプトの音楽ですが、はっきり言って全く人を選ぶような内容じゃないです。(本当に人を選ぶジャンルならビルボードで1位を取ったりしないですからね)

 

 

 

さて、曲名ごとに個別で紹介します。(ほとんど僕の感想みたいなものになります)

1.Speak To Me

これは効果音をつなぎあわせたサウンドコラージュみたいな曲です。短いですがアルバムで一番聞きにくいところだと思います。心臓の音のようなドラムから始まり、レジスターの音が聞こえ始め、男の絶叫で終わりです。アルバムの一曲目はこれで終わりです。よくわからないと思いますが、僕もよくわかりません。不吉な夢の始まりを告げるかのような怖さがあります。

2.Bleathe

一曲目の終わるとすぐに次の曲に入ります。というより同じ曲を分断しているようなイメージです。アルバム一つで一つの曲のように考えているので当たり前ですが。

この曲から夢の中に本格的に迷い込んでいきます。ふわりとした心地よい音楽の中、人としての在り方を問うような歌が紡がれます。その言葉にハッとしたかと思うとこの曲は終わり、次の曲へと向かいます。

3.On The Run

前回の曲の歌詞に「人生は走っていなければならない」ようなことが歌われ、それを聞いたこの夢の持ち主が、何かから逃げ惑うように走りだします。歌詞などは一切ない駆け抜けるかのようなインストゥルメンタルです。最後は飛行機のような音と男の笑い声と爆発音がして夢から覚めます。

4.Time

大きな目覚まし時計の音とともに目が覚めます。人生の後悔を許さない時間の残酷さが歌われます。そしてまた2曲目のBleatheのフレーズが音楽の中に入り込み、再び夢の世界に迷い込んでいくかのようにこの曲は終わりを迎えます。かなり暗い内容なのですが、ここが前半の山場で流れる音楽はめちゃくちゃに気持ちが良く、ここまで聞いてしまうともう抜けられ無いと思います。

5.The Great Gig in the Sky 

虚空のスキャットという邦題がこの曲にはついています。スキャットというのは歌詞の無い歌のことで、この曲では女性のボーカルのスキャットが流れます。悲しいのか虚しいのか何が伝えたいのかスキャットなのでわかりません。伝えられないもどかしさがあるのか途中から絶叫に変わっていき狂気に染まっていくような印象を受けます。最後には諦めたかのように小さな声に変わっていきます。

前の曲で現実から逃げるように夢の世界に入ったせいで、この曲からは狂気の世界へ進んでいくようなイメージを考えてしまいます。

レコードで言うところのA面がこの曲で終わります。次の曲からはレコードを裏返すような気持ちで行きましょう。

6.Money

先に取り上げたMoneyがここで登場です。前の曲から打って変わったかのような曲が急に始まります。歌詞の内容はお金についてのブラックユーモア的なものでしょうかね?

お金というのは現実の象徴で、そこから逃れ夢の世界に逃げ込んだ主人公が皮肉の一つでも言いたくなったんでしょうか。

最初にレジスターのガチャンという音がリズムを刻むのを聞いて当時の音楽ファンはびっくりしたそうな。当時の技術では作るのも大変だったそうで、録音したテープを切り貼りして編集するのに何日もかかったそうです。

7.Us And Them

Moneyが終わるとすぐに次の曲が始まります。また二曲目のBleatheのフレーズが蘇ってきて、ふわりと夢の世界に落ちます。今度はざっくりいうと戦争についての歌が始まります。サックスの音も交わり、ふわふわと心地よい音が流れます。

8.Any Colour You Like

例にもれず前の曲とそのままつながるように次の曲が始まります。次の曲へと向かって盛り上げていくかのようなインストゥルメンタルです。もう慣れてきていると思いますのでボーカルの声が無くてもすらりと聞けてしまうと思います。

9.Brain Damage

このアルバムのクライマックスへと進んでいきます。もう夢の世界と現実の境目はなくなって狂気の世界からは逃れられなくなっています。

ここでついにアルバムのタイトルである「The Dark Side Of The Moon」が歌われます。lunaticという単語が英語では狂人という意味を持ちます。昔から「luna=月」によって人は狂わされていると信じられてきたのですね。

果たしてここで歌われる「The Dark Side Of The Moon=月の裏側」とは何なのか。このアルバムの主人公は知ってしまったのでしょうか。

10.Eclipse

月に「Eclipse=浸食」されてしまったことが歌われます。まるで悟りでも開いてしまったかのような歌です。女性のスキャットをバックにこのアルバムの総括のような内容でもあります。

everything under the sun is in tune but the sun is eclipsed by the moon

という歌詞が最後に飾られ、夢の旅は終わります。

 

 

 

といった内容(ほとんど自分の感想)です……

テーマ含め暗い感じに見えますが本当に良いアルバムなのでぜひとも聞いていただきたいんですよね。聞けばなぜ売れたのか多少なりとも理解できるはずです。(ついでにいうとアメリカ人がセックスする際のBGMに擦り切れるまで流していたため売れに売れたとも言われています・・・・・・)

 

(難解とか冗長で大げさな演奏だと嫌煙されがちな)プログレの世界に入るには絶好の一枚だと思います。ちなみに僕の家の近くの図書館ではこのアルバムのCDが無料でレンタルできたので、みなさんも興味があれば、まずはお近くの図書館で探してみてください!

 

……といったところでこの記事を終わります。